こんな疑問を解決する記事を書きました。
先にお伝えすると、残留農薬を完全に除去するのは難しいです。
しかし自宅でほんの少し手間を加えるだけで、野菜や果物に付いた残留農薬を大幅に減らすことは可能です。
この記事を読めば残留農薬の自宅での落とし方や、要注意の野菜・果物が分かるので、農薬が口に入るリスクを避けやすくなりますよ。

今回はそんな私が日常で実践している『残留農薬の除去方法』について、詳しくお伝えしていきます。
私自身お伝えする方法を取り入れることで、残留農薬への過度な不安がなくなりました。
記事の前半では『残留農薬のキホン』や『要注意の野菜・果物』について、後半では『残留農薬の落とし方』について具体的にご紹介してきます。
今日からすぐに取り入れられる簡単な方法ばかりなので、ぜひ実践してみてください!
なお残留農薬のリスクをできるだけ避けるには、はじめから農薬が少ない野菜・果物を選ぶのもおすすめです。
後半では『農薬の少ない野菜・果物の選び方』にも触れていくので、よければチェックしてみてください。
残留農薬とは
残留農薬とは、収穫後の農産物に付着している農薬のことです。
私も初めて知ったときは驚きましたが、栽培時に使用した農薬が完全に除去されないまま市場に出回ることが普通にあるんです。
ただし残留農薬は消費者庁により基準値が定められており、それを超える食品は販売が禁止されています。
また残留農薬の基準値は国際基準や、食品安全委員会によるリスク評価などをもとに、安全性を確認した上で設定されているんです。
具体的には以下の2つの量を超えないことを基準にしています。
・毎日一生涯にわたって摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される一日当たりの摂取量(ADI:許容一日摂取量)
・24時間又はそれより短時間の間に摂取しても健康への悪影響がないと推定される量(ARfD:急性参照用量)
※引用元:消費者庁・農薬の残留基準はどのように決められている?
簡単に言うと「毎日食べても、一度にたくさん食べても大丈夫な量」を基準にしているということですね。
これを信頼するならば、野菜や果物に残留農薬があったとしても、過度な心配はいらないということです。

残留農薬は食べる前に少し手を加えるだけで大きく減らせるので、農薬に不安を感じる方は一緒に実践していきましょう!
農薬は本当に残留している?
農林水産省が行った残留農薬の状況調査によると、基準値以下ではありますが、残留農薬が検出されています(※)。
調査の対象となった農産物は以下の11 品目です。
- 米穀、さといも、さやいんげん、ナシ
- 小松菜、ほうれん草、水菜、セルリー
- きゅうり、ミニトマト、ピーマン
いずれも「農薬が適正に使用されていることが確認できた農家で生産された農産物」を調査の対象としています。
つまり農薬を適正に使用したとしても、農産物に農薬が残留することは十分にあり得るということです。
ちなみに日本は世界的に見ても、単位面積あたりの農薬使用量が多い国です(※)。

※参考
農林水産省・国内産農産物における農薬の使用状況及び残留状況調査の結果の概要(令和5年度)
Our World in Data:Total pesticide use per area of cropland
農薬は自宅で落とせるの?
残留農薬をゼロにするのは難しいですが、洗浄や下ごしらえなどを行うことで、残留量を減らすことは可能です。
実際にアメリカのコネチカット州の調査によると、水道水ですすぐことで、12種類中9種類の残留農薬が大幅に減少したとのこと(※)。
このことから野菜や果物を食べる際は、少なくとも30秒間水洗いを行うよう勧められています。
また愛知県衛生研究所はナシの残留農薬は、皮をむくことで89〜100%が除去されると伝えているんです(※)。

食べる前のほんの一手間が、日々の食事の安全性をより高めてくれます。
後半では『残留農薬の落とし方』を具体的にお話していくので、ぜひ実践してみてください!
※参考
Connecticut’s Official State Website・Removal of Trace Pesticide Residues from Produce
愛知県衛生研究所・果物を安心して食べるために
残留農薬が多い野菜・果物12種類
2025年にアメリカで発表された野菜・果物の残留農薬ワーストランキングは、以下のとおりです(※)。
- ほうれん草
- イチゴ
- ケール
- ぶどう
- もも
- チェリー
- ネクタリン
- ナシ
- りんご
- ブラックベリー
- ブルーベリー
- じゃがいも
こちらはアメリカ政府の検査データをもとに、EWGという非営利団体がまとめたものです。
あくまでアメリカの農産物を調査したデータなので、日本で必ずしも当てはまるわけではありません。
しかし農薬が多く使われがちな農産物として、頭に入れておくといいでしょう。

たとえばほうれん草や小松菜などの葉物野菜や、トマトなどの果菜類などが挙げられます。
日常的に口にする食材も多いので、普段から洗浄や皮むきなどを入念に行うことを意識していきましょう!
残留農薬の落とし方【基本編】
ここでは残留農薬の基本的な落とし方をご紹介していきます。
実際のやり方は食材の種類によって変わってきますが、大まかに言うと次のような方法があります。
- 流水でよく洗う
- 水や酢水、重曹水などに浸す
- 表面の皮を剥く
- 塩をふって板の上で転がす(板ずり)
- 熱湯でサッとゆでる
ほかにも塩もみや醤油洗い、味噌漬けなどの調味料を使った方法もあります。
細かな方法はいろいろとありますが、何を食べるにしてもまずは「よく洗うこと」、そして「皮をむいて食べること」。
この2つを基本として抑えておきましょう!
残留農薬の落とし方【食材別8選】
ここでは残留農薬の具体的な落とし方を、以下の8つの食材別にご紹介していきます。
- 葉物野菜:キャベツ、ほうれん草など
- 根菜類:大根、ニンジンなど
- 果菜類:トマト、きゅうりなど
- 茎菜類:ネギ、アスパラなど
- 花菜類:ブロッコリー、カリフラワーなど
- 果物:イチゴ、りんご、バナナなど
- 乾物:切り干し、わかめなど
- 主食:米、うどん、パスタなど
食材ごとの大まかな傾向を把握するだけでも日常で実践しやすくなるので、ぜひ目を通してみてください。
ちなみに旬の食材は自然な環境でも健康に育ちやすいため、農薬が少ない傾向があります。
自宅で農薬を落とす工夫に加えて、旬の食材を選ぶことも残留農薬を避けるポイントとして覚えておきましょう。
それぞれの具体的なやり方について、次から詳しく見ていきます!
※この項の参考文献:農薬・添加物はわが家で落とせた(青春文庫)
葉物野菜:キャベツ、ほうれん草など
キャベツ・レタス・白菜などの葉が何層にも重なってできている野菜は、一番外側を向くのが基本です。
これらの野菜は外側が先に生えて、内側を守るように成長していきます。
そのため農薬は最初にできた一番外側の葉に残留しやすく、1枚むけばほぼ取り除けるんです。
一方ほうれん草・小松菜・春菊などの葉が生い茂る野菜は、流水を入れながらしばらく水に浸け、しっかりとふり洗いを行うこと。
そしてお湯で茹でてから、水気をしぼることが基本的な方法です。
少し手間ですが、このように丁寧に洗浄・下ごしらえをすることで、葉に付いた農薬が水やお湯の中に溶け出します。
なお切ってから茹でると、表皮下のクチクラ層が露出して、より農薬が溶け出しやすくなります。

以上のように葉物野菜については、キャベツ系は一番外側をむき、ほうれん草系は洗って茹でると覚えておきましょう!
根菜類:大根、ニンジンなど
大根・ニンジン・ごぼう・芋類などの根菜類は、病害虫に強いことや、土の中で育つことから農薬の心配はあまりありません。
流水に当てながら、たわしやスポンジなどで表面をゴシゴシ洗い、皮をむけばOKです。
とくに土や泥が付いているものは、土壌中に残った農薬などが付着しやすいので、しっかりと洗い落とすようにしましょう。
なお大根の葉には農薬が残留している可能性があるため、流水でしっかりと洗い、茹でてから使うのがオススメです。
果菜類:トマト、きゅうりなど
果菜類は野菜によって農薬の除去方法がさまざまです。
主なものを以下の表にまとめたので、参考にしてみてください。
品名 | 残留農薬の 除去方法 |
ポイント |
トマト | 流水でこすり洗いをして、 皮をむく |
皮をむくことでクチクラ層に 残った農薬を除去できる |
ナス | 流水でこすり洗いをしたら、 カットして水に浸ける。 水が黒ずんできたら、 ザルにあけて流水で洗う。 ※塩をふって水気を絞るとなおよい |
アクが抜けると同時に 農薬も流出する |
ピーマン | 流水でこすり洗いをしたら、 カットして熱湯で1分ほど茹でる。 |
カットしてから茹でることで、 農薬が溶け出しやすくなる |
きゅうり | 流水でこすり洗いをしたら板ずり (塩をふってまな板の上で転がす)。 もう一度洗ったら、切って全体に 塩をまぶす。 しんなりしたら水気をしぼる。 |
板ずりすることで表面が傷つき、 クチクラ層に残った農薬が流れ出る |
オクラ | 流水でこすり洗いをしたら板ずり (塩をふってまな板の上で転がす)。 もう一度洗ったら、熱湯で1分ほど 茹でる。 |
|
かぼちゃ | 流水を当てながら、 たわしでゴシゴシ洗う。 食べやすいサイズに切ったら、 皮をところどころむく。 表面が透き通るまで茹でて、 お湯を捨てる。 |
皮をところどころ剥くことで、 農薬が溶け出しやすくなる |
このように聞くと、正直ちょっとめんどうだなって思いますよね。
あまり神経質になりすぎず、自分が継続できそうな範囲で、少しずつ取り入れていくことが大切です。

きゅうりやオクラも洗って板ずりするくらいですね。
トマトは火を通すときは皮をむきますが、生で食べるときは洗った後にしばらく水に浸ける程度です。
完璧を目指すと疲れてしまうので、自分の継続しやすい方法で実践してみてください!
茎菜類:ネギ、アスパラなど
茎菜類も野菜によって農薬の除去方法がさまざまです。
主なものを以下の表にまとめたので、参考にしてみてください。
品名 | 残留農薬の 除去方法 |
ポイント |
ねぎ | 皮を1枚むく | 白髪ねぎは水にさらす |
にら | 流水を入れながら しばらく水に浸け、 ふり洗いをしてから、 茹でる |
葉が肉厚で幅が広いもの がよい |
アスパラ | 根元を切り落として、 周辺の皮を薄く削り、 はかま(三角形の部分)をそぐ。 2つに切って2分ほどゆでる。 |
ゆでることで残った農薬が 溶け出す |
セロリ | 流水でよく洗ってから、 カットして酢水にさらす |
酢水にさらすことで アク取りと同時に農薬も 落とせる |
こちらも完璧を目指すと疲れてしまうので、できる範囲で取り入れていきましょう。
花菜類:ブロッコリー、カリフラワーなど
ブロッコリーやカリフラワーなどの花菜類は、小房にわけて茹でるのが基本です。
またブロッコリーは茹でる前に塩水に浸けてサッと洗うことで、アク抜きにもなり、農薬も溶け出しやすくなります。
一方カリフラワーは茹でるときに塩をひとつまみと酢を加えると、白く茹であがり、農薬除去にも効果的です。
なおつぼみが堅くしまっているモノは美味しくて農薬不安も少ないと言われるので、花菜類を選ぶ際の基準としましょう。
果物:イチゴ、りんご、バナナなど
果物は種類によって農薬の除去方法がさまざまです。
主なものを以下の表にまとめたので、参考にしてみてください。
品名 | 残留農薬の 除去方法 |
ポイント |
イチゴ | 流水に入れながら 5分ほど水に浸けて、 ふり洗いする |
表面がデコボコしていて 農薬が残留しやすいので、 しっかり洗う |
ぶどう | 流水を入れながら 10分ほど水に浸け、 ふり洗いをする。 皮を手でむいて食べる。 |
皮ごと口に入れると、 農薬が染み出すのでNG |
さくらんぼ | 流水を入れながら 10分ほど水に浸け、 ふり洗いする |
輸入品は農薬が多いので、 とくによく洗う |
りんご ナシ |
流水を当てながら スポンジなどでゴシゴシ 洗って、皮をむく。 ※りんごは切ったあとに 塩水に浸けるとなおよい |
農薬はほとんどが皮や クチクラ層に残留しているため、 皮をむけばほぼ安心 |
もも | 表面をそっとなでて洗い、 皮をむく |
|
みかん オレンジ レモン グレープフルーツ |
皮をむく | 農薬や防カビ剤はほとんどが 皮やクチクラ層に残留しているため、 皮をむけばほぼ安心 |
バナナ | 皮をむき、根元から1cm くらいを切り落として 食べる |
農薬のほとんどは皮に残留している ※根元には防カビ剤が 残留しやすいので切り落とす |
メロン | 皮の残して食べる | 農薬果肉には浸透しないので、 皮を食べなければOK |
皮のある果物は基本的に皮をむけばOKです。
一方イチゴやさくらんぼなど、そのまま食べるものは入念に洗って食べるようにしましょう。
乾物:切り干し、わかめなど
切り干し大根や干し椎茸、わかめ、春雨などの乾物はお湯に浸して戻すことで、農薬が溶け出します。
もし戻し汁をダシとして使いたい場合は、1回目を捨てて、2回目を使うようにしましょう。
なお水よりお湯で戻したほうが農薬が溶け出しやすくなります。
主食:米、うどん、パスタなど
米については農薬が残留しやすいのはモミやぬかの部分なので、精米すればほぼ除去されます。
さらに米とぎの後に30分〜1時間ほど水に浸けておけば、残っている物質も出てきてなお良いです。
ちなみに浸けている間に米が水分を吸うので、炊く時の水の量はやや少なめで大丈夫。
またうどんやそば、パスタなどの麺類はお湯で茹でたあと、茹で汁を捨てるのがポイントです。
こちらもできる範囲で実践してみてください!
農薬の少ない野菜・果物を選ぶ
残留農薬は上記の方法でも完全には除去できないため、最初から農薬があまり使われていない野菜・果物を選ぶのが一番おすすめです。
ここでは農薬の少ない野菜・果物の選び方として、以下の3つをご紹介していきます。
- JASマークのある食材を選ぶ
- 自分で作った野菜・果物を食べる
- 有機食品の豊富な宅配サービスを使う
こういった方法を実践することで、農薬の少ない野菜や果物が手に入りやすくなるので、ぜひ参考にしてみてください!
1:JASマークのある食材を選ぶ
『有機JASマーク』のついた野菜や果物は、農薬の少ない食材の目印になります。
なぜなら有機JASマークは、国が定めた農薬使用の厳しい制限をクリアして栽培された作物の証だから。
ただし有機JAS食材は生産量が少ないため、スーパーでは見つからないこともあります。

もし身近なスーパーに置いていない場合は、ビオマルシェなどの有機JAS食材を扱う宅配サービスを利用するのも方法。
ビオマルシェの野菜はすべて有機JAS製品なので、安心して食べやすいです。
またビオマルシェは野菜以外にも果物や畜産品、水産品、加工食品、調味料、米、飲料など、様々なオーガニック食品を扱っています。
近場では手に入らない有機JAS食材もビオマルシェなら取り寄せできるので、気になる方は以下から公式サイトをチェックしてみてください!

2:自分で作った野菜・果物を食べる
農薬の少ない食材を食べるには、自分で野菜・果物を作ってみるのも方法です。
自分で育てる野菜や果物なら、殺虫剤などの農薬や化学肥料を使うかどうかを選択できます。
無農薬の野菜や果物作りに挑戦してみると、より選択肢も広がりますよ。
たとえば畑があるなら大根やじゃがいも、長ネギなど、育てやすい野菜から始めてみるといいです。
また葉物野菜やハーブ、ミニトマトなどは小さなプランターでも育てられるので、ベランダや玄関などでもOK。

季節によっていろいろな野菜・果物が食べられるし、何より採れたての食材は新鮮で美味しいです。
以上のように出来る範囲で自分で食材を育ててみるのも、農薬を避ける方法となります!
3:有機食品の豊富なオイシックス
を使う
農薬の少ない野菜・果物を選ぶには、有機食品の豊富なオイシックスを使うのもオススメです。
オイシックスは『作った人が自分の子供に安心して食べさせられる食品』という理念のもと、安全な食づくりに取り組んでいます。
たとえば農産物は有機JAS規格、または通常の5割以下の農薬・化学肥料で生産するなど、『Oisix安全基準』で厳格に決められているんです。
またポストハーベスト農薬や遺伝子組み換え、カット野菜の次亜塩素酸も不使用。
さらに合成保存料・合成着色料を一切不使用とするなど、添加物についても基準が定められています。

加えてスーパー並みに品揃えが豊富なので、買い物にもとても便利です。
有機・低農薬の野菜を5種類以上使ったミールキットなど、時短商品も豊富なので料理も楽になりますよ。
オイシックスには約70〜90%オフのお得なお試しセットがあるので、気になる方は以下から公式サイトを見てみてください!

まとめ:「洗う・皮をむく」が残留農薬を除去する基本!
上記でお伝えしたとおり、野菜や果物の残留農薬は洗ったり下ごしらえをしたりすることで、大幅に除去できます。
最後にもう一度内容を振り返りましょう!
1.残留農薬のキホン
→国が安全性を確認した上で基準値を設定しているので、過度な心配はいらない
→残留農薬は自宅でのひと手間で大きく減らせるので、農薬が不安な人は実践がオススメ
2.残留農薬が多い野菜・果物
・ほうれん草
・イチゴ
・ケール
・ぶどう
・もも
など
3.残留農薬の落とし方【基本編】
・流水でよく洗う
・水や酢水、重曹水に浸す
・表面の皮を剥く
・塩をふって板の上で転がす(板ずり)
・熱湯でサッとゆでる
食材ごとにやり方が違うので、始めのうちは面倒に感じたり戸惑ったりするコトもあるかもしれません。
しかし慣れると大体の傾向が掴めて、「この食材はこんな感じ」といちいち調べなくても動けるようになります。
なお上記でお伝えしたように、残留農薬は洗ったり茹でたりしても完全に除去できるわけではありません。

より安全を考えるなら、はじめから農薬があまり使われていない野菜・果物を選ぶのもおすすめです。
たとえばオイシックスの農産物は有機JAS規格、または通常の5割以下の農薬・化学肥料で生産されています。
スーパー並みに品揃えがよく、ミールキットや惣菜などの時短商品も豊富なので、買い物・料理が楽になりますよ。
オイシックスには約70〜90%オフのお得なお試しセットがあるので、興味のある方は以下から公式サイトに進んでみてください!
